ほんもんぶつりゅうしゅう

信厚寺


2015-06-06 09:01

事行山録6月

ご承知の通り、六月と言えば「入梅」で「梅雨」の期間です。雨がしとしと降って「うっとうしい季節」ですが、この期間の大切な事は日本人の皆さんは十分知っている所です。お米には大切な雨なのです。「から梅雨」もあるのです。苗代つくりから始まって、田植え、今では改善されてはいるのでしょうが、以前は一番草から三番草までぐらいの雑草取りが腰を痛めつつ行われたものです。お米をとる為には色々な努力が重ねられていったのですが、台風にやられてしまったり、害虫や稲特有な病気に悩まされたりする事もしばしばでした。今は、農作業か進歩して、労働条件が良くなってきているのですが、昔を知る人には今昔の相違は驚くばかりです。農業は国を運営する基本だと昔の人は言いましたが、この言葉は今も生きているのです。外国からの輸入もあり、近頃は国家閤の問題と言う所迄になっています。日本人は「日本米が世界一おいしい」と思っている人も多いと思います。肥料の問題、輸出の問題、保存の問題、多種の主食展開など問題は沢山抱えていますが、一粒の米粒をも大切にした気持ちはまだうせてはいないと思います。

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 こんなに大切なお米も出発点の「梅雨の雨」が必要である事は論を待ちません。初手から水を抜くまでは、天気やダムとにらみ合いをしているのは昔も今も一緒です。

 昔は水で暴動が起こった事もあったのですから、水の確保の大切さがわかりましょう。じめじめしてうっとうしい梅雨の雨は「命の雨」と言うべきで、明日を思って受け入れたり、喜びに替えたり心構えが大切でしょう。所詮雨の日は雨の日らしい暮らし方があると言うものです。硫黄島の地下壕で清水を求めた兵隊さんの事を思えば感謝の雨です。

  私達仏立宗は、水を大切にする宗団です。御供水といって毎日家での御初水をとって御宝前に御供えさせて頂きます。そしてこのお水は妙薬であるとして一滴も粗末にしないのです。清水本来の生命力と、お題目の経力が和合して、不思議な御利益を頂くと言う経験を持っている人は一杯います。体験談は個別には述べませんが、これ以上詳しい事は教務員や先輩信徒にお問合下さい。

 こんなことを言いていますと、母親が歌ってくれた「アメアメフレフレ」が懐かしく思い出されます。

開導日扇聖人御指南

  「我等が目には『水』と見ゆれども、水にはあらず。南無妙法蓮華経にてましますなり」

開導日扇聖人御指南

  「お供水を頂いている時からして、早、御利生は受けているものなり」    十巻抄