ほんもんぶつりゅうしゅう

2021-06-17 10:22

6月17日の「毎日ぶっきょう」

仏教の基本的な教えの1つに「諸行無常(しょぎょうむじょう)」があります。簡単に言ってしまうと《すべての物事は常に変化している》ということです。なので、この世に永遠はなく、良くも悪くも変化の連続だということになります。そのことを仏様は「この世は水の泡(バブル)みたいなものだ」とも表現されています。つまり、私達が「とても頑丈だ」「まだまだ大丈夫」と思っているのは、実は勘違いで、いつ、どこで大きな変化が起きても不思議ではない、というのが紛れもない現実なのです。

 

ただ、これをネガティブに受け止めるのではなく、ポジティブに受け止めるのが仏教です。いつ、どこで、どうなるかわからないからこそ、常に大切にする、そういう価値を見出す。人の命、健康な心と体、出会いと別れ、言い出せばきりがありませんが、全てが唯一無二。そして、それらが傷ついたり、壊れたり、無くなったりしたとしても、やはりポジティブに。たとえば卵を落として割ってしまうのも、その卵を放置すると腐るのも、諸行無常だからです。しかし、その卵を使ってケーキを作れば、誰かを笑顔にすることも、保存も可能になります。

 

卵を割ってしまったことを悔やみ続けるより、元に戻ればいいのにと叶わない願いを持ち続けるより、起きた変化をポジティブに受け止めて、次に活かしていく姿勢が、仏教徒の本来あるべき姿です。この世に生まれたものは、その瞬間から常に「死」という可能性と共に生きていくことになります。はじめは「成長」と呼ばれていた体の変化も、一定の年齢からは「老化」と呼ばれるようになります。病気や怪我をすることも、人間関係で笑ったり泣いたりすることもあり、無数の出来事が起こります。たとえ、どんな変化が起きたとしても前を向いて生きていける、それが「仏教のある人生」なのです。

 

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