ほんもんぶつりゅうしゅう

2021-05-26 11:00

5月26日の「毎日ぶっきょう」

お寺には電話や電気など色んな業種の営業電話がよくかかってきます。その応対をずっとしてきた私が最近感じているのは「質の低下」です。それは営業している内容ではなく【電話応対】そのものの質が悪ということ。もっと、わかりやすく言うと、電話応対の基本が全くなっていないのです。どんなに素晴らしい商品を取り扱っていたとしても、その素晴らしさを伝える人の電話マナーがなっていない、お客様に対する言葉遣いがなっていない、気遣いがない。これでは営業の話にたどり着く前に、お断りされてしまうのが当然だと思います。これは電話をしている本人の問題でもありますが、むしろ指導者の問題ではないでしょうか。

 

先日、今までとは比べ物にならないほど、実に質の低い営業電話がありました。まず、わざわざ自分から営業のために電話をしているのに、開口一番の声が小さくて暗い。しかも、自分から名乗らないので、こちらから「隆宣寺でございます」と答えると「あっ…………、まっ………、間違えてます……………。」で、電話が切れました。間違い電話は誰にだってあるものですが、間違い電話の対応ができないのは大問題です。最近の若者は携帯電話ばかりで、固定電話を使ったことがないと聞いたことがあります。そのため社会人になっても、会社で電話に出ない、出ようとしない傾向にあるとのこと。しかし、それを責任を持って教え育てて、出来るようにするのが先輩、上司の役目です。

 

そして、その指導から学ぼうとする、できるようになろうとするのが後輩、部下の役目。それをせずにいて、ただ何となく仕事を続けていても、何一つ得られることがありません。そんなことで、どうして社会人として、一人の人間として成長していけるでしょうか。もし、こういう人が増えてくれば、本人の問題だけでなく、大きな社会問題にすらなります。若い青年がきちんと指導してもらないまま勤務を続けたとしても、その分のお給料はもらえます。しかし、漫然と過ごしてしまった時間は1秒たりとも取り戻せない、それはお金よりも貴重な財産です。もし、きちんと指導してもらえれば、それがキャリアアップにもつながったはずなのに、実に勿体ない。人を雇うということは、その人を成長させるという使命も帯びていることを、決して忘れてはいけません。

 

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