ほんもんぶつりゅうしゅう

2021-07-16 11:10

7月16日の「毎日ぶっきょう」

皆さんは「仏に成る」とか「成仏する」って、どんなイメージを持ってますか?どこか異次元の話のように感じたり、漠然と尊いイメージがあったりでしょうか。それとも「死」をイメージして、ネガティヴに感じている方もあるでしょうか。この話を理解する上で最も重要なのは、まずもって《仏》について理解を深めること。たとえば「大人に成る」を理解するためには、まず「大人ってナニ?」を理解すべき。なので「仏に成る」を理解するためには、まず「仏ってナニ?」から始めてみましょう。

 

じゃあ、仏とは一体なんなのか?というと、それは「悟った人」を意味しています。つまり《悟ることができたら誰でも仏》であり《誰だって仏に成れる》ということ。「だからアナタも仏になろう!」「そのために一緒に仏に成る道(仏道)を歩もう!」というのが仏教の趣旨であり、仏様が私達のために教えを説かれたのはそのためなのです。なぜなら、そうやって「仏に成る」「悟る」ことによって、私達がこの世で生きていく上で、どうしても感じてしまう悩み・苦しみを全て解決できる、より良く生きていけるからです。

 

たとえば、仏様が悟りを開く前は、年老いていくことや病気になること、そして死ぬことが悩みの種となり心を苦しめていましたが、これは誰もが通らなければならない事ばかりです。もし、老化・病気・死そのものが悩みの種であれば、人生の終盤は苦しみの連続といえます。どんなに素晴らしい人生を歩んだとしても、これでは最後の最後で台無しになってしまう。そこで仏様は「この世の真理」つまり「この世の本当のすがた」を探究するために出家します。そして、悟りを開いて「この世の本当のすがた」を知った時に全ての苦しみが解決したのです。

 

それは老化しなくなった訳ではなく、病気をしなくなった訳でも、不死身になった訳でもない。もちろん、老化・病気・死という事実から苦しみが生まれていた訳でもありませんでした。全ては自分の心が苦しんでいただけで、悟りを開いて「仏と成る」ことで苦しみは無くなる。つまり、目の前の事実は変わりようがないけれど、心が変われば苦しみではなくなるのです。本当は何も悩んだり、苦しんだりする必要はないのに、わざわざ苦しく感じながら生きている。それが私達人間の生き方、この世の真理、この世の本当の姿を知らない者の生き方といえます。

 

だからこそ、仏様は「あなたも仏に成ろうよ」「苦しむのは終わりにしよう」と教えてくださる。そうなると「仏に成る」というのは、自らの歩みによって得られるものであり、どこかの誰かによってもたらされるものではないこと、それどころか「死ねば仏」ではないことは明らかです。どこか遠いところへ行くのではなく、どっかの誰かが何とかしてくれるのでもなく、自らの手で、こうして生きている今のうちに「仏に成る」というのが本来の仏教であり、そこにこそ浄土がある。いかがでしょうか?「仏に成る」「成仏する」というイメージが少しでも変わったなら幸いです。

 
☆朝参詣の御法門(7時)は【ここをクリック】(YouTube)
☆朝参詣の御法門(8時)は【ここをクリック】(YouTube)