ほんもんぶつりゅうしゅう

2021-01-26 10:40

1月26日の「毎日ぶっきょう」

『法華経』には仏教が目指している本当の目的・ゴールについて説き明かされています。それは今、私達が生きている世界が浄化され、仏様がいらっしゃる《浄土》になること。つまり「死んでから浄土に行く」という発想ではなく「今、ここを浄土にする」なのです。よって、死んでから仏になる、死んでから救われる、死んでから幸せになるのではなくて、今、ここで生きてる間に仏になる、生きてる間に救われる、生きてる間に幸せになるということ。

 

その上で最も重要なことは「一体化」であると言えます。通常、私達は「個」として生き、お互いに別々・バラバラに存在する「個」として認識しています。その「個」を理解する上で、最も小さな世界観は《個人主義》です。自分の世界の中だけで生き、他者は別世界であり、そこには壁・隔(へだ)たりがあります。それぞれに「個」を主張すれば、時として利害が一致せず、衝突が起きることも。

 

よって、そういう世界観のままでは世界全体の「一体化」は到底できそうにはありません。『法華経』は、目の前の姿だけにとらわれず、もっと大きな視野で生きる大切さを説きます。たとえば、地球上には色んな国がそれぞれ独立して存在し、その境目には「国境」があります。しかし、そんな線をひいているのは私達人間の都合でしかありません。全ての国は地球の大地(海底)で1つにつながっていて、本来は1つなのです。

 

そのことをスッカリ忘れ、お互いに地球人であるという「一体化」の精神も持てずにいるので「自国ファースト」という言葉が生まれたり、そのためであれば相手に圧力をかけることも辞さない。結局、その根底にあるのは、お互いは別々・バラバラなんだという世界観、価値観であると言えます。仏様が悟られた《この世の真理》によって明かされた、この世の本当の姿、私達個々の存在とは全てが繋がり合っている、全ては同じ土台の上に成り立っている、本来的に全てが「一体」なのです。

 

そのことを明確に伝え、教えるのが『法華経』であり、その信仰の目的は「一体化」と言えます。つまり、それぞれが別々・バラバラに生きながら、それぞれに幸福を築き上げるのではなくて、たとえ姿形は「個」であっても、心を1つに、目的を1つにして世界全体の幸福を築き上げていく。そのゴールを目指す中で個々の幸せが自然と築かれていき、お互いに今ここで幸せになっていけるのです。「あなたも私も幸せであるように」そういう思いで、仏教と共に生きる人が増えることを願っています。

 

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《お知らせ》
関西テレビ『よ〜いドン!』1月28日(木)9時50分スタート
『となりの人間国宝さん』のコーナーで、月亭八光さんが隆宣寺にやってきました!
その様子が上記の日程で放送されますので、お楽しみに♪