ほんもんぶつりゅうしゅう

2020-10-06 10:34

10月6日の隆宣寺日記

ご信者さんからの連絡は、ほとんど携帯電話にかかってくるので、お寺の固定電話にかかってくるのは、9割近くが営業電話です。そのうち電話と電気の料金に関するものが多いのですが、その電話内容については無作法・不行儀なものが多く、特に、ここ1、2年で一段と失礼な電話が増えたように思います。
 
営業電話で新規顧客を獲得したいのはわかります。その手段・方法を否定するつもりはありません。ただ、一企業、一社会人が、見ず知らずの個人・法人に対して、電話をするマナーは是非とも身につけて欲しいですし、また、会社として、そういう教育をして欲しいと思います。
 
私が大学卒業後、サラリーマンになった時には、やはり、電話対応から教わったものです。新人は誰より早く電話を取るのは当たり前。そうでもなければ、電話対応は身につきません。先方から叱られたことも度々です。
 
私が最近の営業電話に感じる違和感は、先方に対する配慮の無さです。こちらが電話を取るなり、一方的に話し始める人がほとんど。「NTT代理店の株式会社〇〇です。いつもお世話になっています。」「電話料金のご案内です。ご担当者さまですか?」きっとマニュアルをそのまま読んでるのだと思うのですが、あまりにも失礼。
 
電話をする時は、相手が新規であろうと、取引先であろうと、まずは「相手の時間をいただく」という思いがないとダメです。社会人で暇な人なんて絶対にいません。何かしら作業をしていて、頭の中ではアレコレと考えています。電話対応は、それらを全て止めないとできません。
 
そう思えばこそ、電話をするタイミングは、よく考えないといけません。闇雲に、いつでも電話すればいいというものではないのです。そして、電話をして、先方が電話に出た時には、当然、こちらの名前を名乗る、時には先方の確認をする。そして、まずは「お忙しいところ恐れ入ります」です。
 
「お忙しいのに、わざわざ電話に出てくださり、ありがとうございます」そういう思いを持つ、それを先方にも言葉で伝える、これが礼儀というもの。もちろん、今、電話ができる状況であるかを先方に確認します。いわば、こちらが用件を伝えていいかの許しを先方に請うのです。そして、先方からOK出て、そこでようやく電話が成立するもの。
 
最近の営業電話は、そういったものが一切ありません。なんなら「私の話を聞いて当たり前」のようにドンドン話してきます。お断りしても、しつこく「ああだ、こうだ」と売り文句を並べます。中には、怒り出す人まであるので驚きを通り越して、呆れるばかり。もはや、電話での「押し売り」みたいなものです。
 
コミュニケーションも商売も、双方の都合が合致したときに成り立ちます。それを無視して、自己都合だけで話をしたり、押し付けたりするのは、相手の都合を全く無視した、全くもって「敬い」のない言動と言えます。新人がマニュアル通りにしか話せないのもわかります。だからこそ、会社、上司が、もっとマシなマニュアルを作るべきです。
 
でも、それができない、できていないということは、そもそも、その会社自体の品格が問われるということです。どんなに良い商品、サービスを持っていたとしても、自社の都合、自社の利益しか考えられない会社、経営者はダメ。先方の都合、利益まで考えるのは一企業、一社会人の最低条件です。
 
実は、こういった事柄が自然と身につくのも仏教の素晴らしいところです。仏様の教えは、この世のあり方、人間としての生き方、考え方を教わります。それらは全て実生活に直結していて、より良い人生の糧となっていきます。仏教を信仰しているからこそ、社会の常識も、人間としての良識も身につく。実は、ここにこそ仏教の目的、仏様の願いが込められてあるのです♪
 
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