ほんもんぶつりゅうしゅう

2020-10-10 09:53

10月10日の隆宣寺日記

子育てで、ついつい言ってしまう《NGワード》
さっきから何度も言ってるのにオモチャを片付けない時「片付けへんかったら、捨ててしまうでぇ〜!!」
外から帰ってきた後、何度言っても手を洗わない時「手を洗わへん子は、オヤツなしやでぇ〜〜!!」
 
こちらの思い通りにならない時に、懲罰的なことをちらつかせる。いわば、半ば強制的に言う事を聞かせようとしてしまう…そこには「親の言うことは聞くべきである」という頭が根底にあって、親としては子供を服従させたい、思い通りにしたいという願望があるのです。ただ、そういう姿勢で子供と向き合い、接することはNGとされています。
 
大切なことは本人に自覚を持たせること、本人の意志で行動させること。親に言われて無理矢理やらされたこと、やめさせられたことは、その都度、親がガミガミ言わないと、やろうとしないし、やめようとはしません。そして何より、子供の心に「親にこんなことを言われた」という恨みが芽生え、将来、子供が人に教える立場になった時に、全く同じことをやってしまう恐れがあります。
 
では、どうすればいいのかと言うと「動機付け」をしてあげること。つまり「あぁ、こうした方がええんやなぁ」と思ってもらえるように促すこと。そうやって自らの意志で考え方や行動、言葉を変えてもらうのが理想です。「オモチャを片付けたら、大きな紙を広げてお絵かきできるよ!」「手をキレイにしたら、一緒に美味しいオヤツを食べよっか!」
 
子供であっても、頭の中で色んな損得勘定を持っているもので、明らかに損なことはしたがらないですし、何のためにするのかわからないことも「そんなことして一体なんになるの?」といった具合に、かなり渋ってきます(笑)「子供だから言ってもわからない」「子供なんだから黙って言う事を聞きなさい」というのは、いわば親の怠慢であり、もう少し丁寧に、根気よく伝える努力が必要です。
 
とは言うものの、私も3歳の息子に手こずっている一人で、自分の都合、段取りを変えたくない、守りたいという思いが勝ってしまい、息子に対して、感情的になってしまったり、NGワードを連発してしまったり、後から「また言ってしまったなぁ…」と反省することが多々あります。人生は40年以上やってきましたが、父親は3年少しでまだまだ未熟だと気づかされます。
 
これは社会における人材育成もそうですし、もっと言えば年配者として「若い世代に対して、どういう風に接することができるか?」ということでもあります。人生の先輩が、若い芽を摘むようでは本当に情けない話です。「まだまだ自分は若い」という気概を持つことは、とても素晴らしいことですが、若い人に対して、思いやり、歩み寄り、辛抱強さといった器の大きさ、懐の深さが求められます。
 
「人を育てる」とは、その人が育つようにサポートすることですから、育てる側、教える側は「自分が現役のプレーヤー」であることを一旦、横に置いて目の前にいる若手と接する姿勢が必要で、間違っても若手と張り合ってはいけません。若手を支える、若手に花を持たせる、若手の失敗をフォローする、若手を守る。そうやって、育っていくのを「じっくり待つ」ことが非常に大切な心がけです。
 
そういう良い育てられ方をした人が増えてくれば、その人たちが育てる立場になった時に、良い育て方ができるようになる可能性は大きく、このサイクルがうまく続きていけば、日本の人材、マンパワーは、より質の高い水準へとなっていくに違いありません。そういった好循環を生み出す「はじめの第一歩」が踏み出せるように、仏様は教えを説かれました。仏教には育成のヒントが沢山ありますので、そういった視点からもアプローチしてみてください♪
 
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