ほんもんぶつりゅうしゅう
2017年09月01日
やまゆり園殺傷事件から1年 一周忌のご回向をさせていただく 第4支庁 妙深寺
去る7月26日は、昨年発生した『やまゆり園殺傷事件』よりちょうど1年となり、私と見習い入寺中の石津諒太郎君とハシャーンの3人で、やまゆり園まで足を運びご回向のお参りをさせていただきました。
 昨年は、事件発生から数日後に相模原妙現寺の鈴江御住職を始め、当山ご住職、妙深寺教務数名と有縁のご信者でやまゆり園へ赴き、門前に飾られた献花台の前でご回向をさせていただきました。
 妙現寺には、ご信者の親戚に、やまゆり園の入居者がおられたそうですが、仏天の御加護でしょうか、その方はちょうど犯人が唯一入らなかった2階の東棟におられたため、不幸中の幸いで怪我もなく無事だったということでした。
しかしながら、家族同然で一緒に過ごしていた方々が突然おられなくなったことに、大変なショックを受けられているということでした。この神奈川県で起きてしまった凄惨な事件としっかりと向き合うためにも、昨年は有縁の教講で現地へ向かいました。
 今までは妙現寺とやまゆり園のご縁でご奉公させていただいておりましたが、一周忌を迎える数日前に妙深寺ともご縁があることがわかりました。7月中旬に、東京新聞が長年福祉活動に従事され、妙深寺三ツ沢教区の所属信徒でもある岩坂さんの取材のために、妙深寺を訪れました。実は犠牲者のお一人が妙深寺の近隣にある紫雲会病院の施設に入居されていた際に、散歩コースでよく妙深寺の境内地に来られていたというのです。
 このお話を伺い、やまゆり園には、妙深寺としても少なからずご縁があると感じ、この度の一周忌も現地へ赴き、事件現場でしっかりと御題目をお唱えし、ご回向をさせていただいた次第です。
 当日、私たちが到着した際には、ちょうど神奈川県知事が献花を供え、記者団のインタビューに答えていました。時間を少し空けて、私たちも施設の玄関前に飾られた献花台へ行き、お花をお供えし、御本尊をお掛けさせていただきました。
私たちの法要に対しては、施設の職員の方も快く承諾してくださり、約15分ほどでしたが、亡くなられた方々をはじめ、まだ事件の際の怪我や心の傷で苦しむ方々やそのご家族のためにお参りをさせていただきました。
 この模様は同日夜のNHKとフジテレビのニュースで放映されました。この事件を忘れることなく、仏さまの教えをいただく者としてできることをさせていただきたいと思います。(兼子清顕記)