2020年05月01日

佛立信心とSDGs⑤ 菩薩の目指す四弘誓願と共通する理念

前回、SDGsは世界や地球という大きな規模の課題でありながら、私たちの身近な取り組みが鍵を握っており、また17のゴールが相互に関連しているところが仏教の縁起という考えに類似していると述べました。
SDGsには、さらにもう1つ、仏教と類似した点があります。
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SDGsはご存じの通り、17のゴールで構成されていますが、それらを束ねる一つの理念があります。
「誰一人取り残さない(leave no one behind)」
国連が掲げたそれまでの開発目標は、開発途上や後進といわれる国・地域を対象とし、物質的・経済的な豊かさをもたらそうというものでした。その取り組みは一定の成果を見せたものの、一方ではさらに途上・後発とされる国や地域、あるいは自然環境の破壊や資源の枯渇など、未来世代からの搾取がおこなわれ、地球の持続性が失われていたのです。
その反省の上に打ち立てられた、新しい目標がSDGsですから、この取り組みにおいて、地球上の誰か・どこか・何か、ひとつでも犠牲にしてはいけないと、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」という理念を掲げているのです。
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仏教とは文字通り仏様が説かれた教えで、その膨大な分量と多岐に亘る内容、そしてその中に法華経という未来の人びとを救済するための教えもあるなど、仏様はまさに、誰一人取り残さず、すべての人を救おうとなさいました。
また、成仏の果報を求める菩薩の修行には、必ずその初めに立てる4つの誓願(四弘誓願)があります。
①衆生無辺誓願度=無辺の衆生をすべて救おうという誓願(世界には迷い苦しむ人々が多くいるが全ての人を救おうという誓願)。
②煩悩無數誓願断=無量の煩悩をすべて断とうという誓願(苦しみの根元である煩悩は数限りなくあるが断じ尽くそうという誓願)。
③法門無尽誓願知=無尽の御法門をすべて知ろうという誓願(み仏の教えは広く深いものであるが学び尽くそうという誓願)。
④仏道無上誓願成=無上の仏道をすべて成就しようとする誓願(佛になる道はこの上なく深遠であるが成就させていただこうという誓願)。
この4つは並列ではなく、第1の衆生を救い尽くそうという誓願が主であり、他の3つはそのための方法という構成になっています。ですから、菩薩行の目指すところと、SDGsの理念はとても似通っているのです。
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このように、世界的な共通目標であるSDGsは、仏教との親和性がとても高いのです。もっとも、開発と信仰という差こそあれ、私たち佛立教講も現実の社会に生きる一員として第一願である「誰一人取り残さない」ことを念頭に、日々の信行を大切に、生活を営ませていただきましょう。