ほんもんぶつりゅうしゅう
2015年11月19日
講有上人台湾巡教記—宗門と台湾の良好関係を目の当たりに—
〔11/12(木) 関空前泊〕

14:00。本山本堂にて講有上人ご唱導のもと、今回の台湾巡教道中安全、ご奉公成就を祈願してのお看経。講有上人は宥清寺御教務、ご信者、本庁職員の皆様のお見送りの中、関西国際空港へ出発された。明日の航空機出発が早朝のため、空港内のホテルに宿泊される。


〔11/13(金) 関空→台湾〕

7:30。空港において出国の諸手続きを終え、9:25発の航空機で台湾へ向けて出発した。現地時間11:40、桃園空港に予定通り到着。昼食をとって台北・佛立寺にご参詣、無事安着のお看経となった。
夕食は佛立寺御住職による御供養。「台北101」ビル85階のレストランにおいて御供養をいただいた。この「台北101」ビルは地下5階、地上101階の高層ビルで、名称は101階に由来する。2007年ドバイのブルジュハリファに抜かれるまでは世界一高い建築物だった。


〔11/14(土) 忠烈祠参拝〕

忠烈祠とは、国家成立のために犠牲となった革命烈士、戦争で亡くなった数十万人の兵士が祭られている霊廟。毎年春と秋に国家元首が政府高官を率いて訪れ、また、台湾を訪れる友好国の元首や政府要人もここで献花する。忠烈祠正門前で1時間毎に行われる衛兵の交代式は観光スポットとして有名である。今回、講有上人は友好国の要人として参拝、献花される。
9:30、忠烈祠に到着。本来、敷地内に車で進入できないが国防部の協力のもと忠烈祠敷地内に入り、控室のある貴賓館前に停車、講有上人は国防部職員の案内によって、控室へ入られた。
10:30、行道の隊列を組み大殿に入場、開式となる。講有上人は衛兵の介添えで献花。参列一同は司会の合図に合わせて三度、祭壇に礼をして閉式した。一同は大殿前に移動、記念写真撮影をする。その後、講有上人は国防部より参拝の記念品を受け取られ、また、国防部職員へ御土産の品を授けられた。
献花式典後、国防部職員による案内によって、講有上人は忠烈祠内を見学された。


〔11/15(日) 台北佛立寺高祖会〕

快晴のもと、台北佛立寺高祖日蓮大菩薩御会式の奉修、併せて、西村日要師から西村清良師への住職交代式挙行となった。
9:15、佛立寺に到着。講有上人は佛立寺信徒、第七支庁団参、清風寺、良風寺団参の多くのご信者に迎えられ、佛立寺に入られた。
御法門前の式典では奉修局代表佛立寺局長の王建文氏の挨拶、宗門代表として本庁弘通局伊藤隨隆師の挨拶、西村日要師へ局長の王氏から住職退任記念品贈呈、本庁代表者へ局長より佛立寺初灯明料の奉納と続いた。
講有上人より佛立寺新住職西村清良師へ住職辞令下付があり、佛立寺局長より新住職へ御祝金贈呈があった。引き続き佛立寺へ弘通興隆費下付、第七支庁長柴﨑日布師より弘通支援金の下付があり、それを受けて住職西村清良師の挨拶と続いた。
講有上人の御法門を聴聞させていただき、佛立寺高祖会も無事終了。講有上人とともに御参詣者の記念写真撮影があり、参詣者一同は御供養場へ移動した。
御供養場では佛立寺信徒と日本からの団参信徒と同席し、通訳者を介して交流が図られた。皆、終始笑顔で互いに御奉公体験を話し合い、弘通意欲も高められたことだろう。


〔11/16(月)台湾日本人物故者慰霊法要〕

この法要は台湾日本人会主催によるもので、台湾における日本人物故者、先の大戦における戦病没一切の霊、昭和二十年台北大空襲犠牲者、台湾日本両国の自然災害犠牲者等の慰霊のために行われ、今回で54回目を数える。台北第一殯儀館において執り行われた。
9:00、講有上人はじめ参列御教務の行道による入場、主祭者台湾日本人会常務理事、山下浩昭氏による上香があり、司会発声により慰霊法要の開始となった。
講有上人の回向言上の後、参列の各代表者による祭文の読み上げがあった。交流協会台北事務所代表・沼田幹夫氏、台湾日本人会常務理事・山下浩昭氏、台湾協会理事長・根井洌氏による祭文の後、御題目口唱の中、参列者一同の焼香と続き、慰霊法要は10:30に無事終了した。


〔11/17(火)安息日〕

講有上人には、台湾における連日御奉公のお疲れをとっていただいた。


〔11/18(水)台湾→関空〕

10:35桃園国際空港に到着、出国の諸手続きを終え、12:50予定通り空港を出発した。16:05関西国際空港に到着、18:30本山に到着、安着、台湾御巡教無事終了のお看経となった。


今回の御奉公において特記すべきことがある。
忠烈祠での国防部の歓迎があり、また、慰霊法要では台湾日本人会、台湾日本企業、日本人学校生徒の参詣もあった。台湾と宗門には良好な関係が作られていることがわかる。台湾における妙法弘通は1895年日清戦争終結後に日清講和条約の台湾割譲に端を発する。そして戦後、昭和45年より続く宗門の先師とご信者の御奉公が現在の台湾との関係を作ってきた。今後も台湾の妙法弘通は発展していくことだろう。
最後に今回のご巡教日程において、予報では思わしくない天気状況だったが、御法のお計らいと講有上人の御徳をいただいて、総じて晴天のもと御奉公が進んだことを記して筆をおきたい。


(随行教務 山内良聴 記)