ほんもんぶつりゅうしゅう
2018年11月01日
このよろこびをあなたとともに スリランカ・ネパールのご弘通 29年度の教化10戸以上成就者が7名! 第4支庁 妙深寺住職 長松清潤
ありがとうございます。
開導聖人ご生誕200年慶讃ご奉公の5ヵ年間で、妙深寺は教化誓願315戸のところ、総合計833戸、本院国内384戸、スリランカ別院249戸、インド親会場とネパール親会場で200戸のお教化を成就させていただきました。
長年、妙深寺では国内と海外が一体となったご奉公を心がけてきました。妙深寺も高齢化や世代交代が進み、一昔前から比べるとお教化と法灯相続の勢いに陰りがあります。一方、スリランカやネパールでは自ら選んで入信した初代のご信者が多く、荒削りではありますが意欲や情熱を持っています。
異国で佛立信心を選んだ人のアイデンティティ(主体性・独自性)は強固です。同じ価値観の人は少ないですが、これを増やそうという教化の意識や意欲は高くなるようです。「海外でのお教化」と聞くと国内よりいい加減なように思われるかも知れませんが全く違います。謗法を戒めることも、御題目の尊さを教えることも全く一緒です。確かに出てこなくなる人もいますが、それは国内でも同じです。「一念信解・初随喜」のご信心は海外でいよいよ鮮明になると感じております。
国内と海外が励まし合い、いい意味でこの温度差を埋めるべく、常に情報を交換し、実際に交流することを心がけています。妙深寺では6年前に横浜国立大ホールを会場に世界大会のような機会を設けました。毎年、別院や親会場のある国々から海外信徒を参詣させ、体験談を聞き交流を深めています。こうして生まれた一体感が妙深寺の力となり、次代の扉を開けてくれたように思います。
しかし、慶讃ご奉公の間、お寺としては苦難困難の連続で、様々なことがありました。スリランカも薄氷を踏むような状況がありました。創価学会や日蓮正宗の集会場が原理主義的な上座部の僧侶グループに破壊され、本門佛立宗も攻撃対象となる一触即発の危機を迎えました。しかし、多くの方々が私たちを擁護するために立ち上がってくださり事なきを得ました。  
この際、集会場が借地や借家のままでは本門佛立宗が同国に定着し、将来的に発展してゆくことはできないと考え、妙深寺の責任役員会、事務局、教講幹部会は一致して約3000万円の浄財を投じて別院の土地と家屋を購入することといたしました。こうして教講一同が今まで以上に安心し、ご弘通ご奉公に邁進できるようになったのでした。
年間10戸以上のお教化を成就したアベイ氏やカルパ君はスリランカ教区の中で群を抜いて教化意欲の高い方々です。アベイ氏はディリーパ良潤師の父君ですが、以前からご信心に関心がある方がいるとその方の親族や近隣の方を集めて「教化ミーティング」を開催してきました。アベイ氏は穏やかな口調で丁寧に本門佛立宗の教義や修行やご利益を解説し、数え切れない方々をお教化されています。
カルパ君は31歳の優秀なビジネスマンで信望を集める中堅信徒です。彼は若者たちが直面している仕事の悩みや将来の不安について自身の信行体験を伝えてお教化や育成のご奉公を進めてきました。彼も激変するスリランカの経済状況に翻弄されている一人ですが、だからこそ現証のご利益を実感しています。実体験から生まれた確信が彼のお教化の原動力です。
ネパールは大地震の支援活動によって端緒が開かれ、小原旭くんの死によって本格的なご弘通が始まりました。マイナスにマイナスを重ねたような深い哀しみからの出発でしたが、最大の不幸を最高の幸福に変える佛立信心、上行所伝の御題目の有難さを証明するかのような3年間でした。
10戸以上の教化成就者はネパール信徒5人。このうち2名が発心して得度いたしました。ギャヌ・ダハール君は第1回の支援活動から参加し、その際にお教化となりました。3ヵ月後に発生した旭君の死とその後のご遺族の姿や教講のご奉公を目の当たりにし、これこそ菩薩行、真の宗教と心から感激し、一大決心をしました。
彼は頭髪を切って御宝前に供え、お教化とお助行に邁進するようになりました。現在は得度して「清天」と申します。入信得度したことで永らく家族の大反対を受けていましたが、今では彼の妻がネパール親会場を献身的に支えています。
アシェス・カドゥカ君はギャヌ君と同郷の青年で、支援活動中にお教化となりました。英語もヒンディー語も堪能、聡明な青年でした。入信後、カトマンズに住む妹や末期癌の母をお教化し、現証のご利益をいただくと友人らを次々とお教化してゆきました。彼も発心して得度、現在は「清地」となり妙深寺で修行中です。
ネパールのご弘通を牽引するのはコレイア清行師で「難しいことは分からなくていい。ご弘通が第1」という姿勢でご奉公してくれています。
様々な問題が起こる海外弘通の現場ですが、お教化こそ尊い菩薩行、第1の修行と心得たメンバーが今日もお教化に邁進しています。
ネパールでは、妙深寺がこれまで推進してきたスリランカ、インドの教講が一体となってご奉公する機会に恵まれました。これを機に「インド・ネパール・スリランカ(INS)」は一つになってご奉公しようという気運が高まりました。これを最初に提唱したのはカルパ君でした。
今秋には昨年得度したスリランカ人のハシャーン清嵐師が1ヵ月間、ネパールでご奉公いたしました。今後さらに弘通交流や相互支援が行われ、各国に佛立信心の根が深く張ってゆくものと期待しております。
本院である国内は教化や法灯相続に少々苦労しております。しかし、近年は「1人でお教化しようとせず、お教務さんやお役中さん、みんなの力を合わせてお教化させていただこう」と声を掛け合っています。知識は豊富なはずなのにご弘通の意欲や成果が海外よりも低迷しているのは「一念信解・初随喜」が足りないからかもしれません。みんなで原点に立ち還り、刺激し合いながら、改良させていただきたいと願っております。
あらゆる国、あらゆる民族、あらゆる文化に通用する本物の宗教・本門佛立宗。どのような人でも現証のご利益を頂戴できる上行所伝の御題目。お祖師さまの大慈大悲に感激し、高祖日蓮大士ご降誕800年慶讃ご奉公での誓願成就に向け、喜びと誇りに満ちたご信心で国内外の教講一同、さらに力を合わせて精進させていただきます。
ありがとうございます。