ほんもんぶつりゅうしゅう
2017年05月01日
慰霊法要での講有上人の御諭告 息の長い支援に力を入れよ 御宝前の叱咤激励と感得し更なる邁進を
震災並びに自然災害殉難者慰霊法要に当り、所懐の一端を申し述べます。
本日は阪神淡路大震災の第23回忌、東日本大震災の第7回忌、熊本地震の第1周忌、そして、その他の自然災害で殉難された方々のご回向を勤めさせていただきました。
日本では毎年のように甚大な災害が起きています。また、世界各地でも、この数年の間に大災害が発生し、数多の尊い人命が失われ、未だに平穏な生活を失った人々が多くおられ、傷ましい限りです。熊本地震で被災した私自身、被災者の方がたのご苦労を思うと洵に胸が痛みます。災害殉難者の方々に謹んで哀悼の意を表すると共に、ご遺族や被災者の皆様に衷心よりお見舞い申しあげます。
また、一般のボランティアと共に災害現場でご奉公に挺身された宗門人、ならびに本宗の支援活動を物心両面から支えていただいた方々の浄念に心より随喜いたします。
被災地には未だ災害の傷跡が生々しく残っている場所もあり、1日も早い全面復旧を祈っていますが、たとえ建物や街並みが整いましても、それは道半ばと申せます。遺族や被災者が心の安らぎを得て、魂が救済されてこそ真の復興を遂げたと申せます。
得てして災害は風化して人は忘れやすいものですが、宗門は災害発生時より復興支援と同時にその地域の下種結縁、教化活動に力を注ぎ、このご奉公は現在も継続されています。これは大変尊い菩薩行の実績であります。当宗は今後も被災地の方々に寄り添うと同時に息の長い支援に力を入れ、弘通の根を下ろすためご奉公を推進することが大事です。
高祖大士は如説修行抄に
「万民一同に南無妙法蓮華経と唱へ奉らば、吹く風枝をならさず、雨壌(つちくれ)を砕かず。代は羲農の世となりて、今生には不祥の災難を払ひ(乃至)現世安穏の証文疑ひ有るべからざる者也。」
(昭和定本733頁)
と仰せです。上行所伝の御題目が世界に弘まり全人類が妙法を口唱する時、私たちを取り巻く環境は妙法化され、災害の無い寂光浄土が現世に出現すると御妙判くだされています。
時あたかも、本年は我が佛立開導日扇聖人ご生誕200年の当年です。その年に3つの大震災の年回を迎えたご因縁とは、浄佛国土の祖願達成に向けて、弘通の花を町にも村にも被災地にも咲かせる佛立開花運動を推進するように、御宝前がお互いを叱咤激励されているものと感得します。
宗門弘通を担う教講一同が、一天四海皆帰妙法の使命を果たさんがため、さらなる菩薩行に邁進されんことを願い諭告といたします。
平成29年3月16日   本門佛立宗
                           第26世講有 日良