ほんもんぶつりゅうしゅう
2021年07月01日
講有巡教 開導会に併せて創立130年記念法要を厳修
去る6月6日、神戸佛立寺(住職・加藤日韻師)では『佛立開導日扇聖人御正当会』併せて『神戸佛立寺創立130周年記念法要』を講有巡教として講有・髙須日良上人をお迎えして奉修させていただきました。
当日は御講有のお慈悲とお徳を頂戴して、梅雨の中ではありましたが、御講有がお出ましの時間が近づくにつれて晴天となり、暑すぎず寒すぎずの好天のお計らいを頂戴することができました。

神戸佛立寺について
神戸佛立寺は明治8年、元荒田村庄屋・滑川忠左衛門の長男・勘三郎氏が医者も匙を投げるような重病に罹り、当時、村役場の助役であった本門佛立講の信徒・上柳要氏から教化を受けたことを原初とします。日扇聖人の命を受けた日聞上人の1週間のお助行にて速やかに『当病平癒』の現証ご利益を感得され、これを縁として一家一門が佛立宗に転檀入講されます。
以後、毎月25日に日聞上人がご下神されてご奉公をなされました。その内、追々と教化弘通もできて、滑川家の自宅を「本門佛立講宥清寺出張説教所」と称するようになりました。
その後もご弘通の機運が益々熟していき親会場の建立が必要となり、滑川氏は自身の居宅を本堂に改造し、その一隅を自身の住居に当てられ、やがてその宅地全部と境内地として約百坪の土地をご有志なされます。
明治22年、「教実組」の組名と組御本尊を開導聖人より拝受。そして明治23年6月3日、「神戸教実組親会場」として念願の開行式が開導聖人のご下神、ご親修をいただき奉修されたのです。これは開導聖人ご遷化の1ヵ月前、御身にも僅かに四大不調のご様子が拝見される中でのご奉公でありました。この時のご染筆の御本尊が現在の御宝前に奉安されている開導聖人最後の「お筆止めの御本尊」です。

開導会当日
この度の開導会は新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言中だったため、感染拡大の防止対策を徹底し、法要も「一座二段制」とする中、御講有とご内室、本庁随伴の柏日胤広報局長、神戸布教区管内寺院から御導師・お住職のご参詣を賜り、他寺院から15名、寺内から243名のご参詣をいただきました。
一座を通して御講有から開導会の言上と共に創立130周年のお礼を言上いただき、本堂には上行所伝の御題目の声が響き渡りました。また随伴参詣をいただいた柏日胤師からは改めて宗門のご奉公方針をご披露いただき、続いて前段では次長の為本修一郎氏、後段では局長の木下一三氏、そして当住より喜びと共にお礼の挨拶がありました。
前段の御法門では「御法味の絶ぬ家こそたのしけれ 守護の諸天もはなれ給はず」との御教歌で「御題目をしっかりとお唱えするご信者になること」「家族みんながご信心に励み御題目をお唱えすることの大切さ」「その中から諸天善神のご守護をいただくことができること」を分かりやすくお教えくださいました。
後段の御法門では「唱え死するより外に願ひなし よかれあしかれ貪著はなし」との御教歌で「佛立信者の生き方・死に方は『唱死決心』ということで、全てを御法さまにお任せし、身を労し、心を尽くすことが大切である」ということをお教えくださいました。
またどちらの御法門も、その昔、拍子木の音が毎日聞こえてくるお寺として「カチカチ寺」と呼ばれていた佛立寺にとっての大切な改良点であることも気付かせてくださいました。
そして各段の奉修後には御講有とご一緒に記念写真を撮影させていただき、一座法要が無事に終了いたしました。

130周年を記念して
この度の記念事業として「境内地と駐車場の改修」という寺観整理のご奉公をさせていただきました。これまでどちらも砂地部分が大部分を占めていたため、雨の日は泥濘み、雑草の処理などでご奉公に負担がかかっていたため、境内地を自然石のタイルで、駐車場はコンクリートでそれぞれ整地いたしました。今後は照明を追加設備し、より一層寺観整備に力を入れる予定をしています。
またこの度の法要では創立130周年を記念して、佛立寺所属信徒の鶴目敏生氏がデザインしたロゴマークをプリントした「エコバック」や「お供水ペットボトル」を当日ご参詣の皆さまに、真剣なお看経実践のための「百本祈願用オリジナル線香『佛喜香』」とお布施入れなどに活用できる佛立寺オリジナルデザインの「レザーケース」をご信者の皆さまに、2年間手帳に使用できる佛立寺オリジナルデザインの「2年間手帳用レザーケース」をお教務さま方にそれぞれ記念品としてお持ちいただきました。

むすびに
本来ですと昨年(令和2年)が「創立130周年」という大きな節目の年で、講有巡教としてお迎えさせていただく予定で準備を進めておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により1年の延期を余儀なくされました。そして「今回こそは安心してお迎えできるだろう」と考えておりましたが、その矢先に緊急事態宣言の延長となってしまいました。
このような中にも関わらず、御講有は私たち佛立寺教講のためにご下神くださいました。それはまるで131年前にご自身の不調を押してお出ましくだされた開導聖人のようであり、大変ありがたく、また身の引き締まる思いとなる講有巡教でした。
この度の喜びを胸に、この日を佛立寺教講の信心改良の日とさせていただき、来年にお迎えする「高祖ご降誕800年ご正当年」、佛立寺としては併せて「先住・権大僧正日類上人第27回御忌」に向けてご奉公に邁進させていただく所存です。