ほんもんぶつりゅうしゅう
2015年05月01日
東京・遠妙寺 教講25名がフィリピンへ団参 —木村日覚導師ご唱導による4ヶ所での法要を営む—[第1/2回]
東京・遠妙寺では、去る2月20日から24日まで、教講25名(うち教務4名)の参加のもと、フィリピン団参が行われました。この団参ではフィリピン共和国の4ヵ所において住職の木村日覚師の唱導により、法要が営まれました。

 団参者一行は2月20日、羽田の国際空港から約5時間のフライトにてマニラのニノイ・アキノ国際空港に到着。メトロ・マニラ別院の建設予定地のあるパシグ市へは慢性的な渋滞があり車で1時間ほどかかります。

 フィリピン教区のご信者が、草取りや整地作業をした建設予定地に大きなテントを張り、手作りの祭壇をご荘厳。午後3時より『終戦70年 戦没者慰霊法要』『フィリピン開講5周年記念法要』が奉修されました。

 遠妙寺開基の大僧正日彰上人ご染筆の十界勧請の御本尊が奉安され、日比両国の戦没者のお塔婆が建立された御宝前に、両国のご信者79名(現地信徒34名・子ども24名、団参者21名)が異体同心、異口同音にて御題目をお唱えし、その声は近隣に響き渡りました。

 奉修導師は英語にて言上、また御法門は日本語のあとフィリピン語の通訳にて説かれましたが、このスタイルは後の3ヵ所での法要でも踏襲されました。

 御法門終了後、参詣団長の挨拶。続いて、くんげ会・青年会・有志者からの開講五周年のお祝いの記念品が大人と子どもへ贈呈されました。なお開講5週年とは、マニラにて平成22年2月に初御講が奉修されてから5周年ということで、ご弘通の開始はそれより以前に遡ります。

 さて、団参2日目の翌2月21日は、早朝ホテルを出発、マニラの空港から飛行機で別院のあるネグロス島へ向かいました。マニラのニノイ・アキノ国際空港からネグロス島のバコロド・シライ空港まで約1時間。そして空港から車で約50分で、バゴ市にある遠妙寺ネグロス別院(担当・河野彰国師)に到着しました。なおこの別院は平成23年に親会場として開設されています。

 門前ではネグロス島のご信者が日の丸の旗を振ってお出迎え。午前11時過ぎ『終戦70年 戦没者慰霊法要』『本堂開堂式』が開式されました。

 ここフィリピンは、大東亜戦争の際の日本人戦没者が一番多い外国であり、約53万人が亡くなっておられます。またフィリピン人はその約2倍の110万人が亡くなっておられます。私どもの慰霊法要はいうまでもなく日本人の為だけのものではなく、日比両国の戦争犠牲者の為の法要です。

 また、マニラでの法要でもそうでしたが別院の御宝前には日比両国の戦争犠牲者の為のお塔婆と共にフィリピン・ネグロス島にてご遷化になった不軽寺の恭敬院日源上人とルソン島でご遷化になった乗泉寺の碓井應怡師のお塔婆も建立させていただきました。

 信行体験談は別院の向かいに住むディフェンサーさん。HBS(本門佛立宗)のご信心によって洋裁の工場勤めから、独立。仕事が次々と舞い込み生活が安定、家の増築もできる現証ご利益をいただいたとのことでした。

 マニラでの法要と同様に参詣団長より挨拶、有志者・くんげ会・青年会より開堂式の記念品と子どもたちへ文具が贈呈されました。参詣者数は総計155名、大半の地元ご信者は堂内に入りきらずの境内から窓越しのお参詣となりました。 

 法要終了後、団参者一行は3班に別れ、近隣のご信者宅でお助行。その日は夕方、バコロド港から高速船に一時間乗ってパナイ島イロイロ港へ移動し、イロイロ州イロイロ市のホテルに宿泊しました。

 翌2月22日早朝、ホテルを出発。大型バスにて三時間弱で目的地のイロイロ州サラの小学校『PURIFICATION SALCEDO GUSTILO MEMORIAL ELEMENTARY SCHOOL』に到着。この地を訪れた目的は、この小学校の校庭にこの度、平成25年11月に発生した台風ヨランダによる被災死者の為の慰霊碑が建立され、その『開眼法要』を営む為です。

 このサラという場所はマニラ在住の信徒の故郷で、数軒のご信者が在住するところです。この地を台風ヨランダが襲いましたが、幸いご信者はみな御本尊をお伴して避難、一人も命を落とさなくて済みました。しかし屋根が吹き飛ぶなど家屋の損壊は甚大で、大きな被害を受けました。その際、大変有難いことに宗門や宗内各寺院とご信者の皆様よりたくさんの義援金をいただきました。その義援金を有効に活用させていただくべく、2013年12月遠妙寺と各寺院の教講の有志者で現地へ救援活動に出向き、炊き出しや救援パックの配布、ご信者家屋の修理をさせていただきました。その際、私たちの救援活動の噂を聞きつけたこの小学校より長年貯めたお金でやっと完成したばかりだった野外ステージの屋根が使えなくなり大変困っていると修繕費用の支援の要請があり、義援金を送らせていただきました。

 その後2014年3月にも、この地に遠妙寺の教務員が訪れ、救援活動をさせて頂くと共に、台風被災死者の為の慰霊碑を建立する場所を探していたところ、当時の校長代理の先生より、小学校内に設置して下さいとの申し出を頂き、このたび慰霊碑を建立させていただくことができたのです。

 午前10時前法要開始。この慰霊碑に刻まれた御題目は、遠妙寺中興の権大僧正日玄上人のご染筆の御題目です。開眼法要終了後、日覚導師より慰霊碑の意味など現地の方々へメッセージが送られ、合わせて追加の義援金が贈呈されました。御礼の挨拶で先生は「これは本当に大きな大きな支援となります」と涙ながらに感謝の言葉を述べられていました。

 また日本の本院で開催されたチャリティイベントの売上金と青年会が記念法要でチャリティ販売した商品の売上金が寄付されました。この法要に小学校の児童と保護者、先生、現地ご信者など総計約300名が参詣されました。

 法要終了後、義援金によって修繕された野外ステージとその前方に新築された全校児童が入れる屋根の下で昼食をいただきました。

〔つづく〕