ほんもんぶつりゅうしゅう
2020年03月28日
激励のことば〜新型コロナウイルス感染拡大にあたり
激励のことば〜新型コロナウイルス感染拡大にあたり

ありがとうございます。
今、まさに新型コロナウイルスと闘う本門佛立宗の海外教区の皆さんに、宗内教講の思いを代弁して、ここに激励のことばを送ります。

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、さまざまな苦悩に直面している世界中の佛立信者に対し、所懐の一端を述べて苦難を分かち、そのご信心を励まして、共に終息を祈っています。

2019年の暮、極東の街に発生した新型コロナウイルスは、瞬く間に世界の国々に蔓延し、毎日多くの感染者、そして死者を出しています。3月11日にはWHO(世界保健機関)がパンデミック相当と評価をし、国境を封鎖する国が続出。世界的な経済危機や五輪開催の是非にまで影響を及ぼす勢いで、いまだ病気の実体も分からず、特効薬もなく、先の見通しも立たない不安に加え、生活の基盤が崩れていく心細さに憂いを覚える人も少なくない世相です。

日本の国内は、それでも爆発的な感染の拡大は押さえ込み、今のところは発症者のない市町村も多く、予断を許さない中にも政府はオーバーシュート(爆発的患者急増)を避ける対策を講じての「日常活動の再開」を呼び掛けていますが、海外教区においては報告を聞く限り、事態はとても深刻です。しかし、その中で妙法のご加護を信じ、励まし合ってこの苦難を乗り切ろうと努力される様子には、心から随喜をいたしました。


イタリア教区のダニエッレ良誓師の報告では、毎日多くの死者が出る中、4月末までは家から250メートルを超えた外出が禁止され、食料品店と薬局以外は閉店しているそうですが、ご信者たちは朝晩の決まった時間に一緒にお看経をし、インターネットで御法門を聴聞。
また互いの悩みを聞く等の交流をして支え合っているようです。報告書には

「病気になるかどうか分かりませんが、御法さまを最後までお弘めさせていただいて、一人でも多くの方に御題目口唱をお勧めすることが出来るよう願っています」

「み仏と御題目のお力により、私たちは一つとなって、すべての人の命を守り、速やかにこの恐ろしい病を終息させます」

「1日の間、何時間も口唱し、御法門を準備し、電話やメールに応えることで、私の一日はとても充実しています」等と言葉が添えられ、過酷な状況の中でご信心を高め、ご弘通の伸展と感染の終息を祈って活動される様子が伝わります。


ブラジル教区のコレイア日友師の報告には、政府がスーパーと薬局、ガソリンスタンド以外は寺院も含めて活動を停止させる中、御会式を奉修したと記されていました。500名の参詣目標を50名に押さえ、あとは泣く泣くオンラインの参詣で対応したところ、インターネットのお陰で三座とも参詣できたという喜びの声が届いたとのこと。

コレイア師は「本当に立正安国論の冒頭を思い起させられる現状です。み仏はもとより、三祖聖人、先師上人や日水上人のご苦労を偲ばせていただくのにすごい時です。これでご信心の覚悟を決めない人は、いつ決めるのと言いたいところです」と逆境を喜び、

また「多くの方が御講キャンセルを口にしており、これはけしからんことです。早期終息をご祈願しながらキャンセルとは何事か(略)政府に合わせることはあっても、ご奉公キャンセルはあり得ないです。方法によってはご奉公の功績をあげることが十分可能です」とも語っています。


スリランカ教区のディリーパ良潤師の報告では、ここ数日で爆発的に感染者が増加し、3月27日までの10日ほどは国全体の活動が停止する中、百軒ほどのご信者を中心に、一週間連続の24時間口唱をリレーで行っているそうです。報告書には

「この苦しい時期、一人じゃない。皆でお計らいをいただいて乗り越えようと、皆の気持ちを高めるためにインターネット上に自宅の御宝前や自分のお看経の姿を載せています。皆さん、すごく喜んでご奉公させていただいております」とありました。


インド教区の親会場を守るネパール人教務のカドゥカ清池師の報告には、厳しいインドの状況に添えて「この伝染病の終息後、私は私を含めた人類が、これまでの在り方を変え、より自然に優しい生き方へ向かうと信じています」と語られています。


ネパールの親会場でご奉公するダハール清天師の報告書には
「私たちはここで、世界的な伝染病について祈願口唱を重ねています」
「私はより良い未来のために、この尊い教えと平和題目塔を、死ぬまでお守り申し上げます」と記されていました。

それぞれに過酷な現状に怯まず、否、過酷故に一層に信心を研ぎ澄まし、「御法のご加護を得てこの苦難を乗り切ろう」「これをご弘通の転機としよう」と立ち向かう様は、正に高祖が極寒の佐渡で、「詮ずるところは天も捨て給え。諸難にもあえ。身命を期とせん」と、法華経の行者を守護する諸天が捨ててもよい。あらゆる苦難よ来たれ。妙法弘通に命を懸けるのみであると仰せの、本化地涌の流類たる佛立菩薩の真骨頂を見る思いで、実に頼もしく感じます。

高祖日蓮大士は「病によりて道心は起こり候か」と仰せです。このたびの新しい病は今、人類の大きな脅威となり、多くの犠牲者を出していますが、同時に末代凡夫のお互いを真の信心に目覚めさせ、苦悩する多くの人を妙法に導く機会をいただいてもいるのです。
今こそ、世界中の宗門人が心を一つにし、この病の早期終息と世界の恒久平和、一天四海皆帰妙法を御宝前に祈りましょう。私たちもまた、皆さんと共に祈っています。

ありがとうございます。

2020年3月27日   
本門佛立宗 宗務本庁 
弘通局長 吉田日景
海外部長 長松清潤