ほんもんぶつりゅうしゅう
2014年09月01日
東京房総布教区 350名参加の「地曳き網大会」を開催
去る6月29日、千葉県の一宮海岸において、管内の全11ヵ寺から約350名が集まり、地曳網大会が催されました。これは、昨年開催された門祖550回御遠諱報恩御奉公の集大成でもある「550こどもおえしき」のアフターイベントとして行われたもので、一昨年の釜石・慈念寺で開催された「プレ大会」から引き継がれたものです。

 梅雨の最中でもあり、天候が心配されました。前日までの天気予報は雨マークが出ており、当日も早朝から叩きつけるような大雨に見舞われ、どうなることかと思われましたが、昼には晴れるとの予報に決行としました。心配された雨空も、現地に近づくにつれて鼠色の空も次第に明るみ、海岸に着く頃には雨もピタリとやみました。途中、幾度かの通り雨に見舞われましたが、お昼頃には見事な青空も広がるお計らいをいただきました。

 現地の砂浜には角塔婆を立てて、唱題寺の佐藤日凰師のご唱導のもと、一同で水難犠牲者回向のお看経をいただきました。参加してくれた子供たちはめいめい水塔婆を手に持ち、波打ち際で壮年会さんが見守る中、一斉に海へと流しました。中には意味も分からない子供さんも多かったのですが、その純粋無垢な姿に、御題目のお力で誰もがご回向させていただけるということを感得して有難く思われました。

 沖へと繰り出した漁船が引いてきた大きな地曳網は、一同が波打ち際から体に回した紐を網につながった太い綱に絡ませて身体全体で引きます。単純な作業なのですが、皆それぞれが楽しそうに引いていきました。子供たちも友達や兄弟と、はしゃぎながら和気藹々と引き、いちばん後ろまで引いてはまた波打ち際まで戻っていきました。それはまさに大人も子供もなく、一同が1つの目標に向かう異体同心の姿でした。

 1時間以上もかかってようやく網が岸辺に上がりました。小ぶりでしたがアジやイワシ、タチウオ、カマスなどが銀色の腹を光らせてぴちぴちと跳ねる姿に、一同写真を撮ったり、手に持ってみたり、恐々と触ってみたりと、普段パックに詰められた魚しか見たことのない子供たちは、生きた魚の姿を見て特にはしゃいでいました。

 魚だけでは食事にならないので、当日の昼食のご供養を各寺院が分担しました。焼きそば、焼き肉、フランクフルト、焼き鳥、海鮮焼き、冷やし野菜、かき氷、フルーツポンチ、ソフトドリンクなどの屋台を砂浜に出して振る舞いました。

 目移りしながら好きなものを食べ歩きつつ、行き会った他寺院のお教務やご信者との交流を自由に楽しんでいる、縁日のように賑やかなひとときでした。昼食後はスイカ割りやフットサルで思い切り身体を動かし、梅雨の晴れ間の下で大いに盛り上がりました。

 当布教区としては、この行事を以て門祖550報恩ご奉公を締めくくることになりました。今後は開導聖人ご生誕200年に向けて、全11ヵ寺が一丸となって慶讃ご奉公に邁進してまいります。