ほんもんぶつりゅうしゅう
2015年09月25日
福本絹子さん(京都・妙福寺信徒)昭和11年(1936)生〔終戦時 9歳〕

『平和平和とよく言いますけど、幸せすぎて、何が正しいのかわかってへん』

京都・伏見で暮らしていたため、空襲・爆撃には遭わずに終戦を迎える。当時9歳の少女は、玉音放送を聞いた時、敗戦したことの悲しみを感じなかったという。ただ、戦中戦後の自身の貧しい生活や、体験した人の語る言葉、新聞・テレビの報道などで、戦争の怖さ、恐ろしさ、そしてつらさを充分に思い知ることとなる。戦争がなければ、犠牲になった人が生きていれば、その方々がどれだけこの国に、社会に貢献してくれただろうか―そんな思いを持ちながら教鞭をとり、生徒と接してきた。しかし、戦争のない時代が続いている現代、教え子たちを見て、本当の平和とは一体何なのか、警鐘を鳴らす。