ほんもんぶつりゅうしゅう
2015年09月25日
酒井壽一さん(大阪・清風寺信徒)昭和9(1934)生〔終戦時 11歳〕

『2カ月だね。終戦が2カ月早かったら、家も焼けてなかったし何もかもあった』

昭和20(1945)年6月15日。通学時間帯に鳴り響いたサイレンで、防空壕に避難。しかしそれでは間に合わず、走って畑まで逃げる。そこで防空頭巾を深くかぶり、畑に身を伏せ、戦火を逃れたという。もともと満州開拓に行く予定だったが、時期を見計らっていたため、集団疎開にも参加しなかった一家。満州に行くこともなく、かろうじて命を落とさずに済んだが、大阪での空襲に遭い、一面焼け野原、裸一貫の生活が始まる。教科書がないため勉強できなかった少年は、その後、御法門を聴聞しながら、さまざまなことをいったという。ご信心が基礎にあったからこそ、今の自分があることを噛みしめて話してくださった。