ほんもんぶつりゅうしゅう

2014-03-03 16:28

長島愛生園、中原純氏のご利益談

 中国布教区第1ブロックの寺院は長島愛生園・佛立講堂へ月替わりで御奉公させて頂いています。妙照寺の今年(平成26年)の当番は2月と6月の例月総講、そして8月の開導会です。その2月の例月総講で、入所されている中原純さんから伺ったご利益談をご披露させていただきます。
 
 さて、2月24日(月)はいつものように、ご信者5名と愛生園佛立講堂へ午前11時に到着しました。前日までの寒さがやわらぐ春めいた陽気の中、御内陣、本堂、廊下、境内地を一時間ほどかけて清掃させていただきました。そして、昼食後しばらくして入所されているご信者方が参詣してこられましたので、それに合わせて例月総講を始めました。講堂での例月総講の差定は通常の組御講と変わりません。ただ最後に宗歌の斉唱をしてから御法門を始めます。そして、御法門台の前に行き、いつものように始めようとしたところ、中原純さんが、待ってましたとばかり「御導師、1月と2月に転重軽受(てんじゅうきょうじゅ)の大変なご利益をいただきました!」と、大声で話し出されました。
 
 この中原純さんは、現在94歳ですが、声の大きい大変お元気な方で、佛立講堂の堂守の御奉公を長年されています。毎日早朝に講堂を解錠して、お初水とお花の水のお取り替え。そして朝の勤行。また夕方にも参詣されて施錠する御奉公を続けておられます。さらに、御講や御会式の折には御供物等の準備御奉公もされます。以下、その中原さんのお話です。
 
 今年の1月のこと。愛生園内にはガソリンスタンドがないので、業者がガソリンを入れに来てくれます。中原さんのバイクも配達してもらっていたのですが、この時はなかなか来てくれませんでした。バイクがガス欠しては困るので、中原さんはバイクに乗ってガソリンスタンドに向かいました。園内は走り慣れていますが橋を渡って外に出ると一般の慣れない道です。気をつけて走っていたのですが、過ってカーブのところで2間(4メートル)下にバイクと共に落ちてしまいました。人通りのない辺鄙なところなので、これで自分の人生も終わりかと覚悟したらしいのですが、偶然にも車が通りかかり、発見されました。数人がロープを使って中原さんとバイクを引き上げてくれましたが、バイクはグチャグチャに大破していました。でも中原さん本人は高齢にもかかわらず、擦り傷と打撲のみで済んだのです。このとき、身をもって「大難は小難の転重軽受」のご利益を感得されました。
 
 次に、2月の大雪の翌日。おなじくバイクで園内を走行中、雪を避けて車のワダチの跡をゆっくり走っていたのですが、凍っているところでハンドルを取られました。そのはずみでアクセルを吹かしてしまい、バイクもろとも仰向けにひっくり返りました。このとき後頭部を強打したのですぐに病院へ行きレントゲン検査を受けました。でも、骨も脳内も異常がなく、ただ大きなコブを作っただけで済みました。
「毎日、佛立講堂のお給仕させて頂いているおかげで、ご宝前様はいつも私の後ろに付いてお守りくださいます」と、喜びあふれる声でお話しくださいました。
 
高祖御妙判(秋元殿御返事 昭定406 頁)
法華経の行者をば、一切の諸天不退に守護すべき経文分明也。経の第五に云「諸天昼夜常為法故而衛護之」云云。又云「天諸童子以為給使、刀杖不加毒不能害」云云。