ほんもんぶつりゅうしゅう

妙玉寺


2015-03-08 19:38

速成山話 4

御教歌

 ありがたやみのりのちからなればこそ

   わがごときすら人をたすくれ

開導聖人お示しの御教歌です。
「御弘通が大事、お教化をさせていただきましょう・・・」と教えられても、
「私には無理、まだ信心がわかっていないから・・・口下手で人に言えないから・・・」
と尻込みをして、なかなか実践に踏み込めない人がいます。
そういう人たちに、「お教化は御法様のお力をいただいて成就する」のであり、
だからこそ、私達の如き凡夫でも人助けの功徳が積むことができる。
本当にありがたいことであるなぁ・・・と仰せです。
          ○          ○
お祖師様の御妙判には「蒼蠅驥尾に附して万里を渡り碧蘿松頭に懸りて千尋を延ぶ」
(立正安国論・縮遺360頁)とお示しです。
(青バエのような少しの飛翔力しかないものでも、駿馬の尾にしっかりと摑まっていれば
千里万里と移動できる。又、自分では自立さえできないツタカヅラのようなものでも、
松の大木にからまれば、どこまでも高く伸びることができる)という意味です。
要するに、力のない者でも「お任せ」するものが万全であれば望みが叶う。ということです。
          ○          ○
私達凡夫は、とかく自意識過剰で、反対にへりくだって卑下する時があったりで、
どうにも始末に負えない困り者です。ですから本来人助けの教化など出来ません。
しかし、ここで有りがたい事に、私達は今生に於いて「万法具足」のお題目を授かりました。
本来もっている力では到底叶うはずのないお教化が、お題目の力で成就させていただける。
思えば本当の果報者ということができるでしょう。
御題目のお力をもってすれば必ず叶う・・・しっかりとおすがりして、
(おすがりするとは御題目口唱が大事なのは言うまでもありません。)
御法様の御計らいにお任せ申し上げることが肝心です。