ほんもんぶつりゅうしゅう

岡山 妙現寺


2018-08-14 18:40

真夏の思い出・・・総講/花火/クラシック

「あ~お寺の匂いがする~。私、この匂い好きなんだよね~」
 ある薫化会の女の子がお寺の玄関を開けた瞬間に言った言葉です。大人ではなかなか出てこない、素直で素敵な言葉ですよね。
「楽しみで楽しみで仕方ない」
 ある男の子が花火を楽しみにこの日を待ち遠しく思っていました。岡山では今年は水害により各地で大きな花火大会が中止になってしまったのです。
「浴衣着させていくとまずいですよね?」
 夏と花火と言えば浴衣。我が子に夏を思いっきり感じ、そして楽しんで欲しいと願う、優しいお母さんからのお尋ねです。安心して下さい、もちろん大丈夫です。
「その日、子供の誕生日なんです。最高の思い出になると思います。」
 珍しい夜の総講と誕生日。偶然の一致?。いや何事も偶然はない。ご信心が染みついた、我が子を思うお母さんの言葉です。
「ここをこうやって、あれをああやると、小さい子たちが喜ぶと思うよ」
 低学年、未就学児が多い妙現寺薫化会。そんな弟・妹世代を思う、小学6年生、一人っ子の我が子の言葉です。随分お兄ちゃんになってるな。
 
 という訳で、8月11日。初の試み、夜の青薫合同総講、お寺で花火とクラシックミニ演奏会を開く事になりました。
 総講は17時から。16時半の受付前から、続々と集まる子供達。みんななんだか嬉しそうな顔をしてますね~。あーよかった。お盆前の出かける事も多い時期ですし、ご家族の集まりや、仕事の最終日の方も多く、かなり不安を抱えての総講の募集でしたが、蓋を開けてみると50人以上の大参詣者。本当にありがたいです。
 総講前にタイコ練習とご教歌カルタの作成等をし、17時ジャストに総講開始。御講師からの御法門では、知ってるようで知らない、”お盆”に付いて詳しく教えて頂きました。目連尊者が餓鬼道に落ちたお母様を救おうとするが救えない。餓鬼の世界のやせ細った方々を描く怖いイラストを見ながらの御法門。お釈迦様のご指示で救えることが出来たお盆のいわれを教わりました。
御法門の様子はこちら↓↓↓からご覧いただけます。
 https://www.youtube.com/edit?o=U&ar=1&video_id=fjyulqOObpU
 真夏、クーラーの効いた本堂、若干薄暗くなってきた空、通常あり得ない時間での総講・・・。
全てちょっと不思議な感じがする空間の中、総講が終了しました。そして、御宝前の前に置かれた電子ピアノ・・・。
 この後本堂で約10分間のミニクラシック演奏会が開かれます。幼少時代からピアノを習い、今は好きで好きで仕方ない。曾祖母の代からこういった場でピアノ演奏をさせて頂くのが長年の夢で、コンクールの申込書は必ず自宅の御宝前に。当日には手を合わせてから家を出、心臓が飛び出そうなくらいに緊張した際には心の中で御題目を唱え落ち着かせる。そして全国のコンクールを勝ち抜き、またご一家で御会式でのおしぼりや通常総講へ戻ってきて、お参り、お礼、ご奉公をさせて頂く。そんな男の子が、小学校最後のステージにとプロオーケストラとの共演オーディションに合格し、簡易的な機材でしたが同じ内容の演奏を、皆様の前で聴かせて頂く事になりました。この日の為に数週間、ピアノに向かい練習された様です。割れんばかりの拍手が物語った様に、至福の空間を楽しませて頂きました。
 演奏後には御導師様からのご感想、「音楽は素晴らしい。しかし何事も続ける事が大切だ。ご信心もピアノも続けているからこそ夢も叶う」。熱いお言葉です。
 皆様も同じだと思いますが、私自身も、受験、病気の検査、ビジネスの結果待ちなど、ここ一番、究極の緊張時や分かれ道の選択時には、必ず心の中で御題目に頼ってきたと思います。そこで心を落ち着かせ、120%の力と結果を頂く事が出来る。何気ない日常ではありますが、”人に何がベースにあるか”、は本当に大事なのですね。そんな事を想いながら、本堂におられた全ての皆様と、ご信心による繋がりを共有するありがたさを感じながら、演奏を聴かせて頂きました。
 かなり前になりますが、ゴルフの宮里藍さんがアメリカに渡った際、数年間全く結果が出せず、4年目辺りにいきなり優勝をするようになりました。とある試合をテレビで見ていたら、実況の方が、なぜいきなり活躍しだしたんですか?と言う質問に、あっさりと解説の戸張捷さんが「簡単です。英語でコミュニケーションが取れだしたからです」と言われました。私にしては目からうろこの言葉でした。海外でゴルフで活躍したいのならばゴルフの練習が一番ではない。現地になじむ語学を習得し、文化、食べ物を共有し、そして心を落ち着かせる事で、本来の力が発揮できるというのです。
 御題目やご信心の難しい事は分からないかもしれないが、子供に立派に育ってほしい、活躍して欲しい。また親の自分自身がステップアップしたい。と願うのならば、練習、訓練、経験だけでなく、やはり心の中に御題目、ご信心があるかどうかは大きな分かれ道になってしまう様な気がして、こんな事も思いながらの総講でした。
 その後はお待ちかね、妙現寺名物のカレーのお供養を頂き、金魚&スーパーボールすくい、そして手に一杯の花火大会で幕を閉じました。
本当に楽しく充実した時間を与えて頂きました御導師様、御講師様、ご参詣とご奉公の皆様に深く感謝しております。
ありがとうございました。
薫化会 岡田