ほんもんぶつりゅうしゅう

圓隆寺


2018-01-17 10:15

記憶

忘れてはいけない記憶があります。

 

本日1月17日は、阪神淡路大震災から23年になります。

佛立宗では、年が明けてすぐ寒参詣がはじまりますので、

毎年慌ただしく気が付けば、今日という日を迎えます。

「あっ、1月17日や」って感じでしょうか。

 

23年前の今日も、もちろん寒参詣中でした。

午前5時46分、突然立っていられないほどの大きな揺れに襲われました。

そのあとは、ひたすら倒れて散らばった食器の片付けをしたり、

本堂のお道具の片付けをしたり。。。

とりあえず、何も考えないで手を動かしていました。

ちょうどその時、1人のご信者が本堂にあがって来られ、

「おやじが死んでしまった」と、力なさげに仰っていたこと。

今でも、耳に焼き付いています。

 

毎日のように、犠牲者の数が増え、

最終的に6,400名を越えました。

余震も、連日続きました。

水道も止まって、ガスも止まって、

お風呂も1週間入れませんでした。

1週間ぶりに、ご信者さん宅でもらい湯をさせていただいた

あの気持ち良さは、今でも忘れられません。

 

それからしばらく経って、半壊となったお寺を建て替えるにあたり、

仮設住宅に入居しました。

おそらく、佛立宗の教務さんで仮設生活を強いられたのは、

当山の住職1人だと思います。(ほかにいらっしゃったら、申し訳ありません)

 

仮設住宅に入居している方は、極限状態にありました。

常にピリピリした空気があったように記憶しています。

近所同士で怒鳴り合う声もしょっちゅうでした。

夫婦喧嘩が激しくなって、そこの子供さんが「お母さんが殺される!助けて!」

と、周りに助けを求める場面もありました。

仮設住宅で斜め向かいに住んでいた1人暮らしのご老人は、

復興住宅へ越していきましたが、そこでも独居生活になったことだと思います。

 

あれから23年。今年もまた「あっ、1月17日や」と。

 

今日という日を迎えると、昨日のことのように思い出します。

 

自分の中で、風化してしまわないように。